インターネットショッピングが一般的になった一方で、『ECサイト偽装』による詐欺被害が急増しています。
一見、本物そっくりの偽ECサイトに騙され、金銭被害や個人情報の流出につながるケースが多発しているため、消費者・サイト運営者ともに警戒が必要です。
この記事では、ECサイト偽装の具体的な手口や被害事例を紹介しながら、消費者と運営者が取るべき具体的な対策について詳しく解説します。
ECサイト偽装詐欺とは?
ECサイト偽装詐欺とは、有名なショッピングサイトやブランドの公式サイトを装った偽サイトを作成し、消費者に金銭を振り込ませたり、クレジットカード情報を盗んだりする詐欺の手口です。
特に、格安商品や限定品を巧みに宣伝し、利用者を騙す手法が多用されています。
ECサイト偽装の主な手口とは?
手口①:偽のECサイトを作成し、個人情報やカード情報を盗む
- 本物そっくりのデザインで、公式サイトに見えるように偽装
- 非常に安い価格で商品を販売し、ユーザーの購入意欲を刺激する
- クレジットカード情報や個人情報を不正に収集し悪用する
手口②:SNS広告やメールを使って誘導する
- FacebookやInstagramなどSNS広告を利用し、公式に見える広告を掲載
- メールマガジンを装ったフィッシングメールで偽サイトへ誘導する
手口③:検索エンジンに偽サイトを表示させる
- SEOを悪用し、Google検索結果に偽のECサイトを上位表示させる
- 正規サイトより先に偽サイトが表示され、利用者が騙されるケースも多い
実際に発生したECサイト偽装の被害事例3選
【事例1】人気ブランドの偽サイトで被害発生(国内事例)
2023年、有名スポーツブランドの公式サイトを装った偽ECサイトが登場しました。
正規品より大幅に安い価格で販売し、多数の消費者が購入した結果、クレジットカード情報や個人情報が漏洩しました。
- 被害内容:
- 約300人がカード情報を盗まれ、不正利用が発生
- 被害総額は1,000万円以上に上った
【事例2】海外通販サイトを模倣した詐欺事件(海外事例)
アメリカの有名オンラインショップの偽サイトに消費者が騙され、商品代金を振り込んだものの、商品が届かず被害に遭いました。
- 被害内容:
- 被害者は数千人に及び、合計被害額は数億円規模に
- 多くの被害者がカードの不正利用被害を受けた
【事例3】SNS広告を利用したフィッシング詐欺(国内事例)
Instagramで『期間限定の超格安セール』と銘打った偽広告が表示され、消費者が偽ECサイトに誘導される被害が発生しました。
- 被害内容:
- 20代~30代の若者を中心に約100人が被害
- カード情報流出により、別サイトでの不正購入被害が続発
消費者が偽装ECサイトから身を守るための5つの対策
消費者がECサイト詐欺から身を守るために、以下の点を意識しましょう。
- ① URLを必ず確認する
- 不自然なドメイン名や微妙に異なるURLには注意が必要です。
- ② 極端に安い価格の商品は警戒する
- 相場より極端に安い価格は詐欺の可能性が高いです。
- ③ SSL証明書(HTTPS)の有無を確認する
- 信頼できるサイトはHTTPSを使用しています。HTTPサイトは要注意です。
- ④ 決済方法が銀行振込のみの場合は注意する
- 正規サイトは通常、複数の決済方法を提供しています。
- ⑤ 公式サイトや口コミを事前に調査する
- 初めて利用するサイトは、ネット上の口コミや評判を必ず確認しましょう。
ECサイト運営者が実施すべき偽装詐欺対策
ECサイト運営者側も、サイトの偽装被害を防ぐため以下の対策を徹底しましょう。
- ① 定期的に自社サイトの偽サイトをチェックする
- ブランド名や商品名でGoogle検索を行い、不審なサイトがないか定期確認を行う。
- ② SSL証明書を導入し、HTTPS化を徹底する
- HTTPS化は消費者の信頼性向上やSEO対策としても重要です。
- ③ 顧客への注意喚起を積極的に行う
- SNSやメールマガジンなどで、偽サイトへの注意を呼びかける。
- ④ ブランドロゴや画像の無断使用を監視・報告する
- 知的財産権の侵害にあたる偽サイトを発見したら、速やかに関係機関やGoogleなどに報告する。
- ⑤ フィッシングサイト対策ツールを導入する
- 専門のセキュリティサービスを活用し、被害発生を早期に防ぐ。
ECサイト偽装詐欺がSEOやブランドに与える影響
偽装詐欺が頻発すると、消費者の信頼が低下し、正規のECサイトへのアクセスや売上も減少する恐れがあります。
- Googleが詐欺サイトをブラックリスト化すると、類似したサイトのSEO評価も低下する可能性がある
- ブランドイメージが損なわれ、回復には多大な時間やコストを要する
早期に偽サイトを発見し、被害拡大を防ぐことが非常に重要です。
まとめ:ECサイト偽装は消費者・運営者ともに注意が必要!
ECサイト偽装詐欺は巧妙であり、常に警戒する必要があります。
消費者は安易に飛びつかず、運営者も日頃から監視や情報発信を徹底しましょう。
安全で信頼できるECサイト利用・運営を目指し、この記事で紹介した対策をぜひ実践してください。